はじめに
恋愛のプロ・仲人の舘です。
婚活の現場でよく耳にする言葉があります。
「年収600万円以上」「身長170cm以上」「学歴は大卒以上」―条件を挙げればきりがありません。
もちろん、将来の安定を考えれば、ある程度の条件を重視するのは自然なことです。
しかし、仲人として何千人もの出会いを見てきた経験から言えるのは、条件にこだわりすぎる女性ほど、出会いのチャンスを逃しているという現実です。
今回は、条件にとらわれすぎる女性が見落としがちな「本当に大切な視点」についてお話しします。
「理想条件」があなたを縛っている
婚活が長引く女性の多くは、無意識のうちに「理想の条件」が自分の婚活の足かせになっています。
たとえば、「年収600万円以上」という条件。
東京では多いように感じますが、国税庁の統計によれば実際にこの水準を超える男性は全体の約10%しかいません。
つまり、あなたが「この条件の男性がいい」と思うその瞬間、残りの90%の男性を自ら候補から外していることになります。
さらに厄介なのは、「条件を上げるほど、競争率も上がる」という事実です。
理想の条件に合う男性は、多くの女性からも求められています。
そのため、出会えても“選ばれる側”として不利になるケースが増えてしまうのです。
「条件」は未来を保証しない
条件を重視する心理の裏には、「安心したい」という気持ちがあります。
しかし、条件は“過去”の結果であり、“未来”を保証するものではありません。
たとえば、今は高収入でも、会社の状況や働き方が変われば収入も変わる可能性があります。
逆に、今は平均的な収入でも、真面目で努力家な男性が将来的に安定した家庭を築くことは珍しくありません。
つまり、条件だけでは“人間性”や“成長力”までは見抜けないのです。
長い結婚生活に必要なのは、スペックではなく「協力し合える関係性」です。
収入や学歴より、「一緒に問題を乗り越えられる相手かどうか」を見る目を持つことが、幸せな結婚への近道です。
「感情の相性」を軽視していませんか
条件にとらわれすぎる女性は、「感情の相性」より「数値的な条件」を重視しがちです。
しかし、結婚は“人と人との生活”です。
価値観、笑いのツボ、話のテンポ―こうした小さな“呼吸の合い方”が、長い時間を共にするうえで最も大切になります。
どんなに条件が理想的でも、「一緒にいて安心できない」「自分らしくいられない」と感じる相手とは、幸せは続きません。
仲人として見ていると、最初は「条件外だから」と断っていた男性と、後に結婚した女性ほど、「心の相性が一番大事だった」と口をそろえて言います。
理想条件は“入口の目安”でしかなく、最終的には“心地よさ”こそが結婚の決め手になるのです。
「条件を下げる」ではなく「視野を広げる」
「条件を下げなさい」と言われると、どうしてもネガティブに聞こえます。
しかし私が伝えたいのは、「条件を下げる」のではなく「視野を広げる」ことです。
たとえば、年収にこだわるなら、「誠実で堅実な金銭感覚のある男性」に目を向ける。
学歴にこだわるなら、「学ぶ姿勢を持ち続ける男性」を選ぶ。
年齢にこだわるなら、「健康的で前向きな生活を送る男性」に注目する。
こうした“条件の本質”に気づくと、出会いの幅は一気に広がります。
そして、その中にこそ「あなたにぴったりのパートナー」が隠れているのです。
婚活の目的を見失わないために
婚活のゴールは「理想の条件を満たす相手を見つけること」ではなく、「自分が幸せに生きられる相手と出会うこと」です。
そのためには、「相手がどうか」ではなく「自分がどんな結婚生活を送りたいか」を明確にすることが大切です。
家族との時間を大切にしたいのか、キャリアを共に支え合いたいのか、穏やかな毎日を送りたいのか―
理想の“生活の形”を思い描くと、自ずと見るべき相手像も変わってきます。
婚活で迷ったときは、「私はどんな未来を生きたいのか」と、自分に問いかけてみてください。
その答えが、あなたにとっての“本当の条件”です。
まとめ
条件を持つこと自体は悪いことではありません。
しかし、条件にとらわれすぎると、あなた自身の幸せを狭めてしまうことがあります。
「条件を手放す勇気」が、「幸せな出会い」を呼び込む第一歩。
スペックよりも“人”を見る目を養うことで、結婚は驚くほどスムーズに進みます。
仲人として私が伝えたいのは―理想の相手を探すのではなく、“理想の関係”を育てられる相手を見つけてほしいということです。










恋愛のプロ・仲人の舘は、口が上手いわけでも、押しが強いわけでも、まして魔法を使えるわけでもありません。








