はじめに
恋愛のプロ・仲人の舘です。
婚活を始めると、誰もが最初に考えるのが「譲れない条件」ではないでしょうか。
年収、学歴、職業、見た目、住まい。
確かに条件を明確にすることは大切です。
しかし、長年仲人として多くの成婚を見届けてきた経験から言えば、「条件を整理する前に考えるべき大切なこと」があります。
それは、“条件の背景にある自分の価値観”を見つめることです。
条件とは「幸せの形」ではなく「判断の手段」
婚活で条件を決めること自体は悪いことではありません。
ただし、その条件が「自分の幸せを狭めてしまうもの」になっていないか、見直す必要があります。
多くの人が、“自分を守るため”の条件を作りがちです。
「苦労したくないから、経済的に安定している人がいい」
「リードしてほしいから、年上がいい」
こうした条件の裏には、“過去の不安”や“経験からの防衛反応”が隠れていることが多いのです。
条件は「安心するための盾」にもなりますが、一方で「ご縁を遠ざける壁」にもなり得ます。
まずはその条件が、「本当に自分を幸せにするためのもの」かどうかを冷静に見つめ直すことが大切です。
「なぜその条件が必要なのか」を掘り下げる
仲人として多くの相談を受けていると、「なぜその条件なのか?」という問いに明確に答えられない方が意外に多いものです。
例えば、「年収600万円以上の人がいい」と言う方に、「なぜ600万円なのか?」と尋ねると、
「なんとなく安心できそうだから」という答えが返ってくることがあります。
ここで重要なのは、“お金”が欲しいのではなく、“安心できる生活”を求めているということです。
つまり、求めているのは数字ではなく、心の安定や信頼関係。
条件の背景にある「本当の望み」を言語化できたとき、婚活の方向性は一気にクリアになります。
条件を考える前に、「自分がどんな関係で安心できるのか」「どんな時間を心地よいと感じるのか」を整理しておくこと。
それが、“譲れない条件”を正しく導き出す第一歩です。
「理想」よりも「持続できる関係性」を基準にする
婚活がうまくいく人ほど、“条件”ではなく“関係性”を基準に相手を見ています。
理想的な条件を満たした相手でも、会話が続かない、感情の温度差がある――こうした違和感は、最初の条件リストでは見抜けません。
本当に大切なのは、日常の中で無理なく信頼を築ける関係性です。
例えば、相手が自分の話をきちんと聞いてくれるか、感謝の言葉を自然に伝えられるか。
そうした「日々の小さなやりとり」が、長い結婚生活を支える柱になります。
条件よりも、“自然体でいられる相手”に出会うことを意識すると、結果的に成婚率が高まります。
条件を整理する前に、「自分」を整理する
婚活では、“相手選び”よりも“自分理解”のほうが難しいものです。
多くの人が、理想の相手像ばかりを追いかけ、自分がどんな価値観を持ち、何を大切にしているのかを後回しにしてしまいます。
仲人としておすすめしたいのは、「条件リスト」を書く前に「自分リスト」を作ること。
自分が嬉しいと感じる瞬間、苦手なこと、譲れない価値観。
こうした自分の傾向を整理すると、相手に求める条件も自然と見えてきます。
自分をよく理解している人は、出会いの場でもブレません。
相手を見極めるときも、自分の軸を持って判断できるため、ご縁を逃しにくくなります。
まとめ
“譲れない条件”は、結婚への道を導くための地図のようなものです。
しかし、地図を描く前に「自分がどこに向かいたいのか」を知らなければ、正しい道は選べません。
条件を整理する前に考えるべきなのは、「どんな相手がいいか」ではなく、「自分がどんな人生を送りたいか」。
その答えが見えたとき、譲れない条件は“狭めるもの”ではなく、“導いてくれるもの”へと変わります。
仲人としての経験上、ご縁をつかむ人は、条件よりも“人との向き合い方”に誠実な人です。
あなたも、条件を見直すところからではなく、“自分を見直すこと”から始めてみてください。










恋愛のプロ・仲人の舘は、口が上手いわけでも、押しが強いわけでも、まして魔法を使えるわけでもありません。








