
仲人の舘です。
お見合いという言葉の語源は、「妻を見合わす」というところから来ていると言われています。
つまり、男性に女性を紹介するものであったという事です。
そのため、男性側には断る権利が認められていましたが、女性側は、好まれれば、気に入っても気に入らなくても結婚しなければならなかったのです。
江戸時代頃までのお見合いは、男性が仲人に連れられ、見合い相手の女性の家を訪問するというのが定番でした。
そして、女性は、お茶とお菓子を運んで来て、そのまま着席します。
さぁ、ここからがお見合い本番だと思うでしょう。
けれど、男性がそのお茶を一口飲んだ瞬間、もう結婚が決まってしまうというものだったのです。
なぜなら、お茶を飲む事、それは男性が一目惚れしたという証拠だとされていたからです。
しかし、男性だって、自分と一生連れ添う事になる女性を決める訳です。
そう容易に判断出来るものではありませんから、少し話をしてからという気持ちもあるでしょう。
ですので、その場合には、お茶には手を付けず、最終的に出されたお菓子を袂にしまい、代わりに自分の扇子を置いて帰る事で、YESとなったと言われています。
つまり、いずれにせよ、男性はお見合い当日に、お相手の目の前で答えを出さなければならなかった事は確かなようです。
ですが、今は後で落ち着いて考えて返事する事が当たり前ですし、もちろん女性側から断る事も出来ます。
お見合いは断りにくいと躊躇される方も多いようですが、安心して、一つの貴重な出会いのチャンスだと思っていただいて良いのではないでしょうか。