はじめに
恋愛のプロ・仲人の舘です。
「好きな人と結婚すれば幸せになれる」と考えるのは、ごく自然なことです。
しかし、結婚相談所の仲人として多くのご縁を見ていると、恋愛で相性の良い相手と、結婚生活で相性の良い相手は、必ずしも一致しないと感じます。
もちろん、結婚にも恋愛感情は大切です。
問題は、恋愛感情だけで結婚相手としての相性まで判断してしまうことです。
恋愛では「会いたい」「もっと知りたい」「一緒にいると楽しい」という気持ちが関係を動かします。
一方、結婚では、生活、仕事、お金、家族、健康、住む場所、家事など、現実的な問題を二人で扱っていかなければなりません。
そのため、恋愛から結婚へ進むと、相手を見るときの価値観にも変化が必要になります。
30代、40代の婚活では、この違いを理解しておくことが非常に重要です。
今回は、恋愛と結婚で変わる価値観の違いについて、仲人としての経験をもとにお話しします。
恋愛は「時間」、結婚は「生活」を共有する
恋愛と結婚の大きな違いは、共有するものです。
恋愛では、基本的に二人が選んだ時間を共有します。
- 休日に食事をする
- 旅行へ行く
- 映画を見る
- 仕事が終わってから会う
つまり、比較的楽しい時間を選んで一緒に過ごすことができます。
ところが、結婚すると共有するのは「生活」です。
- 機嫌が良い日だけではありません
- 疲れている日も、忙しい日も、体調が悪い日も一緒に過ごします
- 家計の問題が起きることもあれば、仕事で悩むこともあります
そのため、恋愛では「一緒にいて楽しい」が重要でも、結婚では「普通の日を一緒に過ごせる」という価値が非常に大きくなります。
刺激的な男性より、何もない日に自然体でいられる男性のほうが結婚相手として合っていることも珍しくありません。
結婚相手を考えるときは、特別なデートをしている自分だけでなく、日常生活を送っている自分を想像することが大切です。
恋愛では魅力、結婚では信頼が重くなる
恋愛の入り口では、分かりやすい魅力が重要です。
- 外見が好みである
- 会話が上手である
- 仕事ができる
- デートのお店選びが上手である
こうした魅力が「もっと会いたい」という気持ちにつながります。
しかし、結婚を考える段階になると、それ以上に重要になるものがあります。
それが信頼です。
- 約束を守る
- 都合が悪くなっても逃げない
- 自分の言ったことに責任を持つ
- 問題が起きたときに話し合える
- 相手の立場も考えられる
結婚生活では、こうした一見地味な部分が重要になります。
恋愛上手な男性が必ずしも結婚生活まで上手とは限りません。
逆に、恋愛では少し不器用に見える男性でも、誠実に関係を積み上げられる人であれば、結婚後に安心できる可能性があります。
婚活では「魅力があるか」と「信頼できるか」を分けて考えてみてください。
条件より重要なのは価値観の優先順位
結婚相手に求める条件として、年齢、年収、学歴、職業、身長、居住地などを挙げる女性は少なくありません。
婚活において条件を考えること自体は悪くありません。
問題は、条件と価値観を同じものとして扱ってしまうことです。
- 年収は条件ですが、お金を何に使いたいかは価値観です
- 職業は条件ですが、仕事と家庭のどちらをどの程度優先するかは価値観です
- 居住地は条件ですが、結婚後にどのような場所で暮らしたいかは価値観です
条件が合っていても、価値観の優先順位が大きく違えば生活では摩擦が起こります。
反対に、一部の条件が希望と違っていても、大切にしていることが近ければ、結婚生活を組み立てやすい場合があります。
30代、40代の婚活では、「条件を満たす男性」を探すだけでなく、「何を大切にして生活している男性なのか」を見ることが重要です。
お金の価値観は収入額だけでは判断できない
結婚相手を見るとき、年収を気にすることは現実的な判断です。
しかし、結婚生活という視点では、年収額だけでは十分ではありません。
同じ年収の男性でも、お金の使い方は大きく違います。
- 貯蓄を重視する男性もいれば、経験には積極的にお金を使いたい男性もいます
- 趣味にお金をかける人もいれば、住居にお金をかけたい人もいます
大切なのは、金額そのものより、お金に対する考え方を話し合えることです。
例えば、一方は将来のためにできるだけ貯蓄したいのに、もう一方は「今を楽しむために使いたい」と考えていれば、収入が十分にあっても衝突する可能性があります。
結婚生活では、お金は愛情とは別の現実的な問題として繰り返し登場します。
だからこそ、婚活では年収を見るだけでなく、その男性がどのようなお金の使い方をしているかにも目を向ける必要があります。
「優しい男性」の意味も結婚では変わる
婚活女性からよく聞く希望条件の一つが、「優しい男性」です。
ところが、優しさという言葉ほど人によって意味が違うものもありません。
- デートでごちそうしてくれる
- 連絡をまめにくれる
- 荷物を持ってくれる
- 希望する場所へ連れていってくれる
これらも確かに優しさです。
しかし、結婚生活で必要になる優しさは、もう少し幅広いものです。
- 自分が疲れているときに気づける
- 意見が違っても一方的に否定しない
- 面倒なことを相手任せにしない
- 問題が起きたときに一緒に考える
- 自分が間違っていれば謝れる
こうした行動も優しさです。
恋愛中の分かりやすい優しさだけではなく、日常生活の中で相手を尊重できる男性かを見ることが、結婚相手選びでは重要になります。
価値観が同じ人より違いを話せる人を探す
「価値観が同じ人と結婚したい」という希望を持つ女性は多いでしょう。
ただし、すべての価値観が一致する相手を探す必要はありません。
育った家庭も、仕事も、友人関係も違う二人ですから、考え方に違いがあるのは当然です。
むしろ結婚生活で重要なのは、価値観が違ったときの対応です。
- 自分の考えだけを正しいとする男性なのか
- 相手の話を聞いたうえで落としどころを考えられる男性なのか
- 「それは違う」と言われたとき、感情的になる男性なのか
- 「どうしてそう思うの」と聞ける男性なのか
ここには結婚生活への適性が表れます。
価値観の一致だけを求めていると、違いを見つけるたびに「この人とは合わない」と判断することになります。
結婚とは、違いのない相手を探すことではありません。
違いがあっても二人で調整できる関係をつくることでもあります。
恋愛の「ドキドキ」だけを相性の基準にしない
婚活で悩みやすいのが、「良い人だけれど、ときめかない」という問題です。
これは非常に難しいところです。
まったく恋愛感情を持てない男性と無理に結婚する必要はありません。
一方で、最初から強いときめきがないことを理由に、すぐにご縁を終わらせるのも慎重に考えたいところです。
30代、40代になると、20代の頃とは恋愛感情の生まれ方が変わることがあります。
仕事や人生経験を重ね、人を見る基準も増えているからです。
最初は「普通の人」という印象でも、会うたびに誠実さが分かり、安心して話せるようになり、徐々に好意が育つことがあります。
結婚相談所でご縁を見ていても、最初から強烈に惹かれた二人だけが成婚するわけではありません。
「もう一度会ってみたい」という小さな好意から始まり、関係を育てていくケースもあります。
恋愛感情は必要ですが、その強さと結婚相手としての相性を同一視しないことが大切です。
結婚では問題が起きたときの姿に注目する
交際中、順調なときの態度だけでは、その人の本質が見えにくいものです。
むしろ注目したいのは、予定が合わないとき、意見が違ったとき、仕事が忙しいときなどです。
- 予定変更をしただけで不機嫌になる
- 自分の希望が通らないと連絡を減らす
- 意見が違うと相手を責める
- 話し合いになると逃げる
こうした傾向がある場合、結婚後にも同じ問題が起きる可能性があります。
反対に、トラブルがあっても事情を説明し、相手の意見を聞き、現実的な解決策を考えられる男性なら、結婚生活でも協力関係を築きやすいでしょう。
結婚相手として重要なのは、問題を起こさない人であることより、問題が起きたときに一緒に対応できる人であることです。
自分自身の価値観も整理しておく
結婚相手の価値観を見極めるためには、自分の価値観も理解しておく必要があります。
ここが曖昧なまま婚活すると、そのとき魅力的に見えた男性に判断基準を左右されやすくなります。
まず、「絶対に譲れないこと」と「できれば希望したいこと」を分けてみてください。
- 子どもについての考え
- 仕事を続けたいか
- 住む場所
- 親との関わり方
- お金の管理
- 休日の過ごし方
- 家事の分担
これらをすべて理想通りにする必要はありません。
重要なのは、自分にとって何の優先順位が高いのかを知ることです。
婚活で迷ったとき、判断の軸になるのは相手のスペック表ではなく、自分がどのような結婚生活を送りたいかという具体的なイメージだからです。
「好きな男性」から「一緒に人生をつくれる男性」へ
恋愛では、「この男性が好き」という気持ちから関係が始まります。
結婚では、その先にもう一つの視点が必要です。
「この男性と生活をつくっていけるか」という視点です。
結婚相手は完成された理想の男性ではありません。
自分自身も完成された人間ではないでしょう。
だからこそ、結婚ではお互いの違いや不足を調整しながら生活をつくる力が必要になります。
- 一緒にいて楽しい
- 異性として魅力を感じる
- 話し合える
- 信頼できる
- 困ったときに協力できる
- 生活に対する重要な価値観を確認できる
この両方を見ることが、大人の婚活では大切です。
恋愛か条件かという二択ではありません。
恋愛感情と生活者としての相性を、別々の視点から確認することが必要なのです。
まとめ
恋愛と結婚では、相手に求める価値観の重点が変わります。
恋愛では、魅力、ときめき、楽しさ、会いたいという気持ちが関係を動かします。
結婚では、それらに加えて、信頼、生活感覚、お金、仕事、家族、問題解決、話し合う力といった現実的な要素が重要になります。
だからといって、結婚相手を条件だけで選ぶべきだという意味ではありません。
大切なのは、恋愛感情だけでも、条件だけでも判断しないことです。
特に30代、40代の婚活では、「どんな男性が好きか」だけでなく、「どんな男性となら日常生活を築けるか」という視点を持ってください。
- 年収を見るなら、お金の使い方も見る
- 優しさを見るなら、デート中の気遣いだけでなく、意見が違ったときの態度も見る
- 価値観を見るなら、一致している数だけでなく、違ったときに話し合えるかを見る
- ときめきを見るなら、その瞬間の強さだけでなく、会うほどに好意が育つ可能性も見る
結婚相手選びでは、このように一つの特徴を複数の角度から確認することが重要です。
そして何より、自分自身がどのような結婚生活を望んでいるのかを明確にしておくことです。
「好きになれる男性」と「幸せな生活をつくれる男性」は、対立する存在ではありません。
恋愛感情を持ちながら、現実の生活も一緒につくっていける男性を探すことが婚活です。
恋愛の延長線上に何となく結婚を置くのではなく、恋愛から結婚へ進む段階で見るべき価値観を増やしていく。
それが、結婚後に「こんなはずではなかった」という後悔を減らし、自分に合った結婚相手を見極めるための大切な考え方です。









恋愛のプロ・仲人の舘は、口が上手いわけでも、押しが強いわけでも、まして魔法を使えるわけでもありません。








