はじめに
恋愛のプロ・仲人の舘です。
結婚相談所というと、現代的なサービス、あるいは最近増えた仕組みだと感じている方も多いかもしれません。
しかし実際には、その成り立ちは戦後日本の社会構造と深く結びついています。
今回は戦後から現在に至る日本社会の変化を整理しながら、結婚相談所がどのような役割を担ってきたのか、そして今なぜ必要とされているのかを、仲人としての現場経験を踏まえて解説します。
戦前の結婚と「家」の論理
戦前の日本では、結婚は個人の感情よりも「家」を軸に考えられていました。
親や親族、地域社会が主導し、本人同士の恋愛感情は必須条件ではありません。
結婚は生活基盤を安定させ、家系を存続させるための社会制度でした。
この時代には、現在のような結婚相談所は不要だったとも言えます。
人と人を結びつける機能は、家と地域が果たしていたからです。
戦後日本で起きた価値観の大転換
戦後、日本は急速な民主化と都市化を経験します。
個人の自由や恋愛結婚が尊重されるようになり、「自分で相手を選ぶ」ことが当たり前になりました。
一方で、家や地域による紹介機能は弱まり、人と人を結びつける仕組みが社会から失われていきます。
この空白を埋める形で登場したのが、結婚相談所の原型です。
高度経済成長と結婚の変質
高度経済成長期、日本は「会社中心社会」へと変わりました。
男性は長時間労働、女性は家庭という役割分担が一般化します。
職場結婚や紹介結婚がまだ機能していた時代ですが、ここでも出会いの場は限定的でした。
結婚相談所は、職場や親族に頼らず出会いを得る手段として、徐々に存在感を高めていきます。
バブル崩壊後に顕在化した課題
バブル崩壊以降、日本社会は安定モデルを失います。
- 終身雇用の揺らぎ
- 収入や働き方の多様化
- 価値観の個別化
結婚は「当然の選択」ではなく、「慎重に考える人生の決断」へと変わりました。
この時期から、結婚相談所の役割は単なる紹介ではなく、判断を支える存在へと変化していきます。
晩婚化と未婚化が進む現代社会
現在、日本では晩婚化と未婚化が同時に進んでいます。
30代、40代の独身女性は決して少数派ではありません。
一方で、恋愛や結婚に関する情報は過剰に溢れ、何を基準に判断すればよいのか分からなくなっています。
結婚相談所は、情報を整理し、現実的な判断軸を提供する役割を担うようになりました。
結婚相談所は「出会いの場」ではなく「判断の場」
現場で多くの相談を受けていて感じるのは、結婚相談所を誤解している方が多いということです。
- 単に相手を紹介される場所ではありません
- 結婚に向けて、何を大切にすべきか
- どこで妥協し、どこで妥協してはいけないか
こうした判断を、現実に即して整理する場です。
この役割は、戦前の家や地域が果たしていた機能に近いとも言えます。
心理学ではなく「社会構造」を読む視点
結婚がうまくいかない理由を、心理的な問題に求める風潮があります。
しかし多くの場合、原因は社会構造とのズレです。
- 出会いの機会が減っている
- 選択肢が見えにくい
- 判断基準が曖昧
こうした状況下で、個人の努力だけに任せるのは現実的ではありません。
結婚相談所は、社会構造の変化を前提に設計されたサービスです。
30代~40代女性にとっての結婚相談所の意味
30代~40代女性は、人生経験も判断力も十分に備えています。
一方で、出会いの偶然性に頼るには時間的な制約もあります。
結婚相談所は、効率や条件だけを追求する場ではありません。
自分の人生設計と結婚を、現実的にすり合わせる場です。
これは、戦後日本が失った「結婚を支える仕組み」を、現代的に再構築したものだと言えるでしょう。
結婚相談所の役割は今後さらに重要になる
今後、日本社会で自然な出会いが増える可能性は高くありません。
むしろ、個人化と分断は進むでしょう。
その中で、結婚相談所は人と人を結ぶだけでなく、人生の選択を支えるインフラとしての役割を強めていきます。
仲人の役割も、紹介者から伴走者へと変わり続けています。
まとめ
戦後日本の社会変化は、結婚の形と出会いの仕組みを大きく変えてきました。
家や地域が担っていた役割を失った現代において、結婚相談所はその代替ではなく、進化した形として存在しています。
結婚を個人の問題として抱え込むのではなく、社会的な仕組みを上手に活用する。
それが、今の時代に合った婚活の考え方です。










恋愛のプロ・仲人の舘は、口が上手いわけでも、押しが強いわけでも、まして魔法を使えるわけでもありません。








