年齢が若ければお見合いはたくさんできます。 でも、お見合いができるから結婚できるとは限りません。
では、どういう女性が決まりやすいかといえば、まずは第一印象が良い人です。だれと話しても受けの良い人、好印象を与える人は決まりやすいですね。
それから、相手にあまり条件をつけない人。自分をよく知っている人、実力以上に自分を評価しない人は決まるのが早いです。欲を言わず、お相手が仕事もきちんとこなし、性格もやさしそうだと思えば交際に入ってみて、次のステップで家庭的な人かどうかを見極め、スムースに結婚するような方は、幸せな結婚生活をおくっていらっしゃいます。でも五人に一人くらいは、「このあとまだまだ良い人がいるのでは……」と思ってしまい、そうなると結局チャンスを見送ってしまい、それを繰り返して、五年、六年と在籍し続けてしまう人もいます。
また、減点方式で相手を見てしまうというのも、なかなか結婚が決まらない女性の特徴です。いっしょうけんめい男性が前に進もうとしても、女性は「いったいどこからこんなアラを見つけてきたのだろう」と思うくらい些細なことで「だめ」と決めつけてしまい、なかなか前進しようとしないのです。なかには「こんなにいい人がいるはずがない」と、ほとんど難癖に近いことを言う人もいます。こういう人は、いざ結婚が目の前に実現しそうになると、怖くなってついアラを探してしまうのかもしれません。
男性で早く決まりやすい人というのは、やはりマメに連絡をとる人でしょう。せっかく交際に入りながら、二、三回女性に連絡しても不在だったりすると、気が引けてしまって連絡をとらなくなってしまう男性がいます。また、そういう方に限って、留守電にメッセージを残さず、すぐに電話を切ってしまいがちです。
女性はどんなに年齢を重ねていても、自分からは電話をかけず、相手からの連絡を待っているものです。ですから、お相手が不在のときは、留守電にメッセージを残すなど、とにかくマメに連絡をとる人、不在が続いてもあまり気にせず、なんとか連絡をとろうとする方の方が、結婚が決まる確率が高いですね。
夢と希望を女性に話せる男性も、女性には好意的に見られます。結婚はパートナーとともに未来を作ること。「この人といっしょに夢を現実にしていきたい」と思わせれば、結婚に王手をかけたも同然です。
たくさんの人の顔写真を見て選ぶことができるというのが、全国仲人連合会の特徴なのですが、あまりにも選択肢が多いということが、むしろ結婚の妨げになっているのではないかと思うことがあります。良縁ニュースを開くと、全員こちらを向いてにっこりしていますから、みんながみんな自分に好意を持っていると錯覚してしまうのかもしれません。なかには、自分はもてると勘違いしてしまう人もいます。
特に女性の会員さんにこの傾向が強く、お見合いをするたびにもっと良い人がいるのではないかと思ってしまい、結局交際にも結婚にも踏み切れない人たちが多いようです。
ある三十代後半の女性会員さんは、何回お見合いを重ねても断ってしまいます。いつも「行ってきまあす」と明るくお見合いに出掛けて行くのですが、一、二時間すると「今回の人は……」とお断りの電話がかかってくるのです。
これまで四人の男性からプロポーズされるところまで交際は進んだのですが、土壇場でやっぱり何だかんだと理由をつけて断ってしまいました。仲人さんが「四十歳はもう人生の折り返し地点よ。そうなるとお見合いの申し込みも減るわよ。」とハッパをかけるのですが、やっぱり決まりません。
一方、そうやって彼女がふってしまった男性は、続々と他の女性と結婚が決まっていきます。
成婚が決まったお二人が仲良く並んでいる写真を、仲人さんが彼女に見せながら、「あなたがふった人、こんなにきれいな人と結婚が決まったわよ」と少し嫌みを込めて言うと、「この方、表情が変わっている。私がお見合いした人とは別人のよう」と答えるそうです。
実際、男性は交際するにつれて緊張がほぐれ、表情が変わっていく人が多いのです。
結婚相談所にいらっしゃる男性は、純情な方が多いですから、最初はどうしても緊張して表情がぎこちなくなってしまいます。お見合いのときは必ずスーツを着てもらっていますから硬く見えがちですし、なかには緊張のあまり、歩くときに手足の動きが逆になってしまう人もいます。
仲人さんもなるべくリラックスさせるよう、男性にお見合いの少し前に来てもらって会話するなど工夫していますが、女性に比べるとどうしてもリラックスすることが今一つじょうずではありません。
けれども、交際に入って二回目くらいになれば、服装も自由ですからリラックスしたものを着てくる人もいるでしょうし、表情もずいぶん和みます。ですから、最初にお見合いで会ったときとは、どうしても表情が変わって見えるのでしょう。
確かに、結婚相談所では、そこそこ条件がそろっていれば、毎週でもお見合いをすることができます。でも、仲人さんはベテランですから、最初に会員さんの条件を聞いたうえで、経験にもとづいて、いちばんその方に合いそうな方、良さそうな人をすすめます。また、仲人さんたちは書かれているデータから、さらなる情報を読み取るのも得意です。何回もお見合いを重ねた会員さんから、「いちばん最初に会った人がいちばん良かったかもしれない」といった言葉が聞かれるのは、そういう理由があるのです。
会話がへたな男性も多いですから、女性はお見合いのときには、どんどん男性に質問してみてください。そうすればきちんと質問には答えてくれるでしょう。でも、男性は緊張するとどうしても表情が硬くなることを頭に入れ、それは点数に入れないで交際に入れば、その人の良いところがきっと見えてくるはずです。
女性のなかには、とてもこの世に存在しそうにない人を求めている人もいます。私はそれを「青い鳥症候群」と呼んでいます。
人からうらやましがられる職業で、高学歴、高給を得ながらも、もう若いとは言えない年齢になってしまった女性に特にこの傾向が強く、「ここまで待ったのだから」とどんどん相手に求める条件が高くなっていく人がいます。不景気で全体的にお給料が減っている世の中で、彼女がもらっているお給料以上の金額を得ている男性はなかなかいません。彼女の場合は、自分の理想の男性を求めているわけです。
たとえは悪いのですが、結婚はギャンブルと同じで、「もっともっと、」と要求する人は、結局元手さえ失ってしまいます。
女性が男性に求める条件に多いのは、昔で言う三高、つまり学歴、身長、収入が高い人です。特にバブル時には、さらに細かい条件をつける人がいて、相手に求める条件も非常に高かった人が多かったような気がします。けれども、バブルがはじけてしまった今でも、三高を求める女性の率の高さは相変わらずです。日本の学歴社会が崩れて久しい昨今ですが、高学歴=高収入、高身長=見栄えが良いといった神話はまだまだ崩れていませんし、相変わらず「東大卒」は、ブランドとなっています。
だれでも希望する条件のうち、一つは必ずかないます。たとえば、身長が高い人、という条件であればそれはかないますし、学歴が高い人という条件もかなえることができます。けれども、身長も学歴も高く、なおかつ顔が良くて収入が高い人となると、これはなかなかいませんし、たとえいたとしても、今度はその方に選ばれるかどうかわかりません。
なかには、三十歳くらいの公務員で、年収が一千万円の人という条件を出す人もいます。公務員はお給料が規定で決まっていますから、大学を出て八年くらいで一千万円を超す収入を得ている人など、ほとんど存在しないと言っていいでしょう。
また、「生活費としてどのくらいあればやっていけますか」と聞くと、「うーん、五十万円くらいかな」と平気で答える人もいます。手取りで五十万円を奥さんに渡せる人というのは、額面で年収一千万円は必要なんだということを説明しても、今ひとつピンと来ない。こういった経済感覚の食い違いは、親と暮らし、一度も独り暮らしをしたことがない女性に見られます。
相手を非常に限定する人も決まりにくい人です。
ある二十代後半の女医さんがいるのですが、彼女が相手に求める条件は東大のしかも理数科出身というものです。あるとき、理数科ではなかったものの東大の法学部を卒業された方をおすすめしたのですが、「うーん……」と一言いながら渋ってしまいます。でも、とにかく会ってみるということでお見合いし交際に入ったのですが、「忙しい」と言ってなかなか次に会う日をセッティングしません。男性が週末に電話すると「忙しいから週半ばに連絡してください」と言い、それではと指定したころに電話すると、今度は「学会が入りました」。そんなことが何回か続いて、ついに男性は「もういいです」と仲人さんに断りの連絡をしてきたそうです。
また、四十代前半のフライトアテンダントで、相手は初婚でなくてはだめだとおっしゃる方もいます。なぜかと問うと「子どもを三人くらい欲しいから」という答え。「再婚の方は子どもがいる可能性が高いので、もう子どもを作りたがらないけれど、初婚の方はきっと欲しがるだろうから」というのがその理由なのです。けれども、それは彼女の予測であって、実際に子どもが欲しいか欲しくないかは、その人に聞いてみなくてはわかりません。女性の出産年齢には限りがあることを考えれば、なるべく選択肢は広いにこしたことはないでしょう。そうやって自分から条件を狭めてしまえばしまうほど、縁に出会う間口もまた狭まってしまいます。
私どもの会員さんでは数少ない職業の方を希望される方も、やはり決まりにくくなります。
ご自身はソムリエの資格を持ち、できれば自営業者の方と結婚してその資格を生かしたいと望んでいらっしゃるお嬢さんがいます。ソムリエの資格を生かす仕事となると、レストランやバーなどの経営者となるのでしょうが、私どもでは原則として水商売の方はおあずかりしないことになっています※。何度かサラリーマンの方とお見合いしたのですが、うまくいかないので「自営業者」ということで範囲を広げ、最近そのうちの一人と交際が始まりました。
また、農家志望の女性もいます。いつ何時、何が起きても、土地さえあれば作って食べていくことができるからというのがその理由です。農家に嫁が来ないと嘆く人が多い昨今、本来ならば引く手あまたなのでしょうが、私どもの会員さんのなかにはほとんどいらっしやらないので、これまたむずかしい条件です。
夢と結婚を重ね合わせて考えてしまう、それも非常に限定してこだわりすぎてしまうというのも、女性の特徴と言えるかもしれません。
※現在は職業により入会をお断りすることはありません。
男性は女性よりも自分の経歴に対してコンプレックスを抱きがちです。
我々の目から見ると、思わず「どうしてそんなところに」と驚くようなところにコンプレックスを持っている人もなかにはいます。
ある有名私立大学を卒業された男性に、東大を卒業された女性をすすめたところ、東大卒は嫌だとおっしゃいます。わけを聞いてみると、大学受験の際、東大を受けて落ちたからという返事でした。
また、ある男性は「子どもを三人くらい産める女性」という条件を出していましたから、不思議に思って理由を尋ねてみました。すると、「自分の従兄弟のところに、子どもが二人いるから」という返事。どうやら子どものときから従兄弟と張りあっていて、受験では自分が良い大学に入学できて勝ったけれど、結婚は相手が先だったから負けてしまった。でも、子どもの数では負けたくないということらしいのです。これにはあきれて物も言えませんでした。
留学先で外国人と知り合って結婚し、子どもができてから離婚したお嬢さんが会員にいらっしゃいました。離婚という条件はネックにはならないのですが、その子どものお父さんが白人だったと聞いたとたん、引いてしまう男性が少なからずいます。これもやはり、白人に対するコンプレックスからなんです。
でも、その女性もかなり変わった方で、「別れた元ダンナの相手もここでお世話してほしい」とおっしゃいます。でも、もしかして万が一お見合いが重なり、仲人さんのお宅で引きあわせたときに、相手の女性の子どもがもう一組の男性に「パパ」と言ったらびっくりしてしまいますよね。
丁寧にお断りしたのですが、ずいぶんドライだなあと妙に感心したものです。
コンプレックスとは逆の意味、つまり親族に対する遠慮から縁談がこわれてしまったこともあります。
順調に交際が進み、めでたく婚約となったカップルがいました。ところが、結婚式の式場を決める段階で、女性は自分が式場代を出してもいいから、子どものころから夢を描いていたニューオータニか、オークラで式をあげたいと望みました。ところが男性のほうは、本家の長男が式をあげたある式場以上のところでは、式はあげられないというのです。男性は女性がぜいたくだと決めつけ、女性は自分の長年の夢を理解してくれないと嘆く。もめた揚げ句、女性の仲人さんが男性の言う式場を見に行ったところ、そこはとても貧相な場所だったそうです。結局「あんな場所では、彼女がかわいそうでとても結婚式をあげさせられない」ということで、このご縁はなくなってしまいました。
こういった例はもちろん少数ですが、女性が相手に望む条件を限定するのと同じくらい、つまらぬところにこだわる男性も、結婚が決まりにくい人と言えます。
男性が女性に望む条件も「美」と「年齢」が多く、これまた昔から変わっていないと言えるでしょう。一般に男性は女性を外見と経歴で決めつける傾向にあります。
たとえば、女性が音楽大学を卒業したというだけで「お金がかかりそうだ」と思ってしまいます。けれども、音楽大学を卒業した人すべてが「家にグランドピアノを置きたい」というわけではありません。また、家にピアノを置いたとしても、もしかしたら生徒をとって逆にお金を稼いでくれるかもしれないのです。
またお見合いの時に有名ブランドのバッグを持っていたというだけで、とてもぜいたくな人なのではないかと思ってしまうようです、けれども、もしかしたらそのバッグは、女性が何年もかかってコツコツと貯めたお金で、ようやく買ったものなのかもしれません。あるいは、清水の舞台から飛び降りる思いで買い、十年間愛用しているバッグをハレのお見合いの日に持ってきたのかもしれません。逆に、いつも穴のあいた洋服を着ていても、それは貧しいからではなく、飲み食いにたくさんお金を使って、着るものには興味がない人だからかもしれません。
女性の職業からも男性は勝手にイメージを作ってしまいます。「看護婦さんは親切な人」「保母さんは子ども好き」といった具合にです。でも、これは仕事であって、プライベートはそうではないかもしれません。
そういうことを仲人さんがひとつひとつ説明して初めて「ああ、そうか」と納得する男性はたくさんいます。
このように、外見や職業で単純に男性は好みを振り分けてしまうことから、女性は、掲載する写真にしても、着物を着て髪をアツプにしたものではなく、普通の洋服で撮影したほうがいいと思います。若い方が着物を着ると、どうしても老けて見えます。顔の造作がはっきりしている人など、とても派手に見えてしまいますから、男性のなかには引いてしまう方もいるのです。
「パチンコを二人でできる人は幸せだ。泥棒だったら見張りをしてくれる奥さん。警察に通報する奥さんだったら困るだろう」。例えは悪いですが、昔父がよく言っていた言葉です。
つまり、自分と同じような環境、価値観を持った人といっしょになれば、人は幸せになるということです。
結婚相手に自分の周辺にはない職業の人や、まったく違う器の人を望む人がいますが、往々にしてだめになってしまうことが多く、結局、自分と同じような環境の人と交際し、結婚するほうがうまくいく確率が高いと思います。極端な話、理科系の人は理科系の人を選んだほうが、相手を理解できます。理科系の人は無口な方が多いのですが、その無口さを理解できるというわけです。なかには、コンピュータ好きの二人がお見合いし、交際に入ってからも、直接会わずに、メールでばかり会話しているという人もいます。彼らにとっては、それが心地よいし、楽しいのです。でも、まったく違う価値観を持った人とは、そうはいかないでしょう。
男女平等の世の中とはいえ、まだまだお見合いの世界には、古風なところがあります。女性の場合は、結婚するパートナーによって大きく生活が変わりますから、パートナー選びはどうしても慎重にならざるをえないことはわかります。さらに言えば、結婚によって生活がまったく変わってしまう確率は、男性よりも女性のほうが高いのです。でも、だからといってあまり深く考えすぎ、先を読みすぎてしまってはなかなか結婚できません。そうした中で、「自分と同じような環境の人を選ぶ」というのは、幸せになるためのキーワードの一つになると思います。
逆に男性は結婚しても生活における変化は女性ほどではありません。女性によってもたらされるもの、影響される部分というのは、日々の生活のなかの半分くらいではないでしょうか。だから、ある意味ではもう少し気楽にとらえてもいいのではないかと思うのですが、実際にはなかなかそうはいかないようです。
離婚率が高くなっている世相を反映してか、最近は「バツイチです」とおっしゃる会員さんが増えてきました。なかには、「式だけで、籍は入れませんでした」とおっしゃる方もいますが、これはちっとも威張れることではありません。結婚期間が短いほど、辛抱が足らない人なのではないかと、逆にマイナスにとられかねません。
女性では四十代の離婚経験者がとても多いですね。ある程度子どもが大きくなり、そろそろ自分の残りの人生を考える時期にきていることと、子どもにとっても父親が必要な年齢にきていることが大きいのではないかと思われます。
でも最近、様子が少し変わってきたなと感じるのは、経済の問題です。不況が続いていることもあって、子連れで仕事をしていくのがむずかしい世の中です。だから結婚して、安定した生活を得たいというシングルマザーも増えています。
別に、離婚経験者だから、結婚はむずかしいということはまったくありません。ただ初婚との組みあわせは、親の反対に合いがちですから、バツイチ同士という組みあわせが多いことは確かです。
ある仲人さんのところに、二歳の子どもを持つ二十代なかばの女性会員さんがいらっしゃいました。彼女にはお見合いの席で初めて会った相手に「家を買ってくださいますか?」と聞いてしまう悪い癖がありました。仲人さんがわけを聞いてみると、以前、母一人子一人ということで、なかなか家を借りることができず、苦労したことがトラウマになっていろらしいのです。そこで仲人さんが「ほんとうに家を買ってくれないとだめなの?二人でこれから力を合わせて買えるよう努力すればいいじゃない」とアドバイスすると、次のお見合いからは言わなくなったそうです。
そしてその後、何度目かのお見合いのとき、たまたま子どもを預けることができず、彼女はお見合いの席に子どもを連れてきました。仲人さんが自宅で引き会わせた後、喫茶店で話すため、三人がともに連れ立って仲人さんの家から出ていくときに、両側から子どもの手をつないで歩いていくのを見て、仲人さんは「いい雰囲気だな」と思ったそうです。それから二時間ほどたったころ、彼女から電話がありました。
「先生、ご報告があるんです」と言うので、「なんでしょう」と言ったところ、「私たち結婚を決めました」という返事。「こんなに早く決めてもいいの?」と言ったそうですが、その後、親にもお互い紹介し合って、三回目のデートで婚約となりました。相手の方が三十八歳と年齢が離れていたせいか包容力があり、とても優しい方だったのが決め手になったようです。後で聞くと、すでにその方は自分の家を持っていらっしゃったそうですが、そのときはもう家のことなどどうでも良かったようです。
結婚されてから一年ほどたち、子連れで仲人さんのもとを訪れたときには、それまでは実際の年齢よりも少し老けて見えていた彼女が見違えるように若くきれいになり、子どもはお父さんの膝にちょこんと座って離れなかったそうです。彼女は「先生のおかげでほんとうに幸せになることができました」と、とても喜んでいました。
ちなみに、全国的に離婚率は高くなっているものの、私どもの会を通じて結婚された方の離婚率は、かなり低いものです。特に成田離婚は皆無です。皆さん、選びに選んで結婚されるので、ちょっとやそっとでは別れるというところまで至らないからだと思います。
父はよく冗談で、「三回くらい離婚してまた結婚してくれたら、うちも助かるんだけどなあ」と笑いながら言っていました。そのくらい、私どもの会員さんの離婚率は低いのです。
昔は「天は二物を与えず」と言われていましたが、最近感じるのは二物も三物も与えられている女性が多いことです。見た目が良い女性は、人への気配りもでき、洗練されているということが多いのです。
少し前に、手の指先を一部失った男性が会員のなかにおられました。実は入会のときにそのことをおっしゃらなかったため、仲人さんのほうはまったく気が付かなかったのです。ある日、ある女性とお見合いをしたところ、その女性から「指がない!」とえらい剣幕で仲人さんのもとに電話がありました。
こちらも知らなかったものですから驚いて男性に聞いたところ、入社後の研修で、機械に巻き込まれて指の先の一部を失ってしまったということでした。事故で起きたことなのですから、こちらは、入会されるときにそれを言ってくださりさえすれば、まったく間題ありませんでした。
ですから、「どうして入会なさるときにそのことをおっしゃらなかったのですか?」と聞いてみました。すると彼は、「実は、ここに入る前に入会していた結婚相談所で『そんなことは黙っておきなさい』と言われたから」と答えました。
私どもでは、会員さんの情報に関しては「嘘がない」ことを大切にしていますから、「うちはその相談所とは違う」と説明し、納得していただきました。
その男性は条件が良かったので、その女性の前にもお見合いをされ、交際に入ったこともあったのですが、そのときの女性はそんなことを一言も言いませんでした。そのことも彼に訊ねてみたところ、彼はその女性には、お見合いの席で指のことを告げていたそうです。それに対して彼女は「そんなことは気にしません」と答えたそうです。その女性は大変きれいな方でした。結局彼女とは、酔っ払った同僚にそそのかされ、彼がお酒の席から電話をしてしまったことが原因でうまくいかなくなってしまったのですが、失礼ながら、「指がない」と大騒ぎをした女性は容姿が良いとは言えませんでしたから、きれいで人にも気配りできる彼女に対し「天は二物を与えるんだなあ」とつくづく感じたものです。
彼のほうはその後、そのことを相手に伝えたうえでお見合いし、結局、別の大変美しい方と結婚されました。
日本人男性の場合、頭髪が薄い人は、女性から敬遠されがちです。ご本人もそれを気にされて、入会されるときにカツラをかぶっていらっしゃる方もいます。
以前、二十五歳の男性で、背が高く、しっかりとした顔立ちの方がいらっしゃいました。カツラということはわかっていたのですが、きちんと清潔にしていらっしゃいましたし、じょうずにかぶっておられたので、特に何もアドパイスはしませんでした、その方はマメでやさしく、しっかりしていた方だったので、ある女性とお見合いし、交際を経て三ケ月で婚約されました。
ところが、いよいよ結婚となって式場を予約というときになって、彼は彼女に「実は隠していたことがあったんだ」と言って、パッとカツラをとり「こんな僕でもいい?」と言ったそうです。
それまでその女性はのんびりとした性格もあって、彼のカツラに気づいていませんでした。ですから彼がカツラをはずした途端、泣いてしまったそうです。しばらくは「それでもいい」と言わなかったのですが、その後彼女も納得してくれて、無事結婚。その後、彼女から仲人さんのところに届いた年賀状には、「髪を剃ってクリクリ頭になった主人に惚れ直しています」と書いてあったそうです。
また、別の頭髪が薄いエリート男性は、交際中にやはりカツラをパッととって告白したところ、相手に拒絶されてしまいました。そこで、仲人さんが増毛をすすめたところ、それに従い、次に出会った素晴らしい美人と結婚し、幸せになっています。
カツラをかぶっていても、それがブラシできれいに整えられ清潔ならば、見た目の印象はずいぶんと違ったものになります。女性が「カツラが嫌」と言う原因の一つには、不潔さが目立つからということもあるのです。
なかには、頭髪が薄くなっていても「僕はこれでいいんです。このままの僕を受け入れてくださる方を見つけます」とおっしゃる方もいます。そういう方はたいてい、最後にはお相手を見つけることができます。
結局、自分に自信を持つということが成婚につながるのです。ほんとうはそのままでも十分なのですが、それがために自信を持てなくなっている人には、増毛をすすめるというわけです。最近は増毛といっても、以前ほど高額ではありません。
目が悪ければ眼鏡からコンタクトに変える、歯並びが悪ければ矯正する。それと同じように、頭髪が薄ければそれを補うことは、ちっとも恥ずかしいことではないと思います。
女性とは逆に、男性のなかには自分を過小評価する人もいます。「有名私立大学を卒業したといっても、通信ですから」とおっしゃる方もいますが、仕事を持ちながら通信で大学を卒業するまでの努力はたいへんなものです。そういうときには、仲人さんがそう言ってはげまし、「自信をもちなさい」と言うと、たいていの男性は見違えるほど顔が明るくなります。男性は。自分に自身を持てるようになると、顔つきがまったく変わり、声まで明るくなるものです。
高卒の男性ですが、見栄えがよく、省庁に勤めている方がいらっしゃいました。性格も素直でやさしくとても良い男性なのですが、ただひとつ、緊張するとどもってしまうという癖がありました。見栄えが良いので、女性からの中し込みは多いのですが、交際に入り、しばらく経つと断られてしまいます。それでもある女性とうまくいき、婚約直前というところまでいったのですが、彼女に「幼児のころにしゃべり始めるのが遅かったので、特殊学級に入っていた」という思い出話をしてしまい、それが原因で断られてしまいました。
今の彼を見ていながら、そんなことで断ってしまう女性も女性ですが、あまりに彼が落ち込んでいるのを見て、担当の仲人さんは「特訓」と称して、一ヶ月間、毎日用がなくても男性から自分に電話をかけさせました。そうして落ち着いて話せるようになったのを見計らって、その成果を確かめるために外でいっしょにお茶を飲み、おしゃべりしてみたところ、すっかりどもりが治っていたそうです。そこで今度は私どもの会のお見合いパーティに出席することをすすめてみました。仲人さんがその様子を見守っていたところ、三、四分ごとの女性とのおしゃべりも滞ることなく楽しそうに過ごし、結局その日、その方には六人もの女性からお見合いの申し込みがあったそうです。彼はそのうちの一人と順調に交際を続け、結婚しました。
毎日、彼に電話させてどもりを直してしまった仲人さんには頭が下がりますが、仕事が終わってから、連日電話をかけたその方の努力も大したものだと思います。結局、そうした努力が自信につながり、その方は自分で幸せをつかむことができたのです。
自信がついたから結婚に至ったという例は、女性にも見られます。
二十代後半の女性会員さんで、身長はそんなに高くないのに体重は七十キロある方がいらっしゃいました。いつも体型を隠すように、ひだのついたロングスカートをはいています。しかも、太っていることを気にしているせいか、着る洋服の色は黒などの暗い色のものばかり。そのため、実年齢よりよほど老けて見えます。
洋服の色ばかりでなく、性格も愛矯がなく、ちょっと暗い感じがしていました。仲人さんはいつも彼女に「かわいい顔をしているんだから、もうちょっとやせればいいのに。それにもっと明るい色を着たら?色が白いんだから」とアドパイスしていましたが、彼女はブスッとしたまま「こういう色しか好きじゃないんです」と言うばかり。
ところがその彼女が一念発起し、一年で二十キロ痩せたのです。仲人さんが驚いて「どうやって痩せたの?」と聞くと、彼女は「片道四キロある職場までの道のりを、毎日徒歩で通った」と答えたそうです。そうやって痩せたとたんに、LLサイズから普通サイズの洋服を着ることができるようになり、いろいろな色やデザインの服を着こなして、どんどんきれいになっていきました。以前は化粧っ気がまったくなかったのに、口紅もきちんとさしています。
そこで登録していたお見合い写真を現在のものに変えたとたん、たくさんお見合いの申し込みが来るようになりました。それとともに性格も明るくなり、最近では笑顔を頻繁に見せるようになったと仲人さんも喜んでいます。
太っている女性は結婚できないというわけではありません。むしろ、少しぽっちゃりとした人が好みという男性はたくさんいます。でも、彼女の場合は、痩せたためについた自信が、彼女をどんどんきれいにしていったのです。
きっと、結婚が決まったという報告を受ける日も、そう遠くないと思います。
なかなか結婚が決まらない人のなかには、相手から断られるのが怖くて先に断ってしまうという人もいます。
「僕は断られたことがない」と威張っている人のこれまでの履歴を見ると、すべて自分から先に断っていたということは、意外にあるのです。そういう人に限って、実は相手は交際を望んでいたということを知って、後になって悔しがっています。これでは、決まるものも決まりません。
ベテランの仲人さんのなかには、お見合いをした会員さんが「断る」というと、それと察して「じゃあ、相手次第にしようか」と言うようにしているという人もいます。そうすると案外「うん」と言うそうです。
仲人の世界にはテクニックがあるようで、そんなにはっきりとしたノウハウがあるわけではありません。仲人さんたちも会員さん同様、失敗しながら経験を積んでいくのです。ただ、長年やっていると、お見合いのときに、仲人さんの家から外へ出ていくときの二人の様子を見ていれば、その後彼らが交際に人るかどうかはだいたい分かります。
結婚相談所では、結婚を前提に紹介しあうので、決まる時は本当に早く決まるものです。
でも、せっかくセッティングしたお見合いを遅らせたりする人は、どうしても決まるのが遅くなります。
入会に際しても、勝負写真が撮れなかったから、延期してほしいという人。風邪をひいてしまって化粧ののりが悪いから、今日のお見合いは延期してほしいという方。そういう人たちはどうしても縁遠くなってしまいます。時間の問題ではなく、縁をつかむ力が弱いため、せっかくのチャンスを逃してしまうのだと思います。
私どもの会では、新たに入会された方の情報を掲載した良縁ニュースを、毎週、全国に一千人いる仲人さんのもとへお送りしています※。ですから、なるべく頻繁に仲人さんのもとへ足を運ぶことが、結婚を早めるコツです。
我々仲人は、明日入会する人が、長年在籍している会員さんの伴侶になるかもしれないという夢を日々抱いています。来週入る人が、あなたの将来のパートナーになるかもしれません。でもそのためには、あなた自身が動いて、仲人さんのもとに足を運ばないかぎり、その方を見つけることはできないのです。
※数字は常に変動しています。